MSCCラリーオフィシャル記


上州オートクラブ&TeamTARGET 鈴木 博

 昨年はお手伝いに行ってとんでもない事になってしまったMSCCラリーのオフィシャル手伝いに今年も行って来た。

総じて今年は昨年と大違いで大成功に終わって、良かった良かった、だけでは様子を理解頂けないと思うので私の担当した部分で覚えている範囲をお知らせします。

お手伝い参加者
今年上州オートクラブからお手伝いに行くのは親方の高桑さんを始め、TCオフィシャルのベテランで昨年はMSCCのエントラントラントだった佐々木・正谷さん、最近やっとBライ取った相賀君、昨年の飛騨のハイランドがオフィシャルデビューで今回全日本ラリー2回目の最年少高橋君と私の6人。
今回主催者の台所事情を考慮して、先発で木曜日の夜に棚倉入りに相賀君と私、残りは金曜夜に棚倉入りと分かれての現場入りとなる。
前日の水曜日晩に高桑さんの倉庫でオフィシャル機材のバンへの積み込みを行い、準備完了。今年はMSCCのスタッフがアマチュア無線の免許を取ってラリー以外の一般連絡に無線を使うため、私の会社の無線部の機材を一杯借りて行った。
5月連休には全ラジオポイントの事前無線テストまでやって昨年の反省点、無線には万全を期す。

6月15日(木)
 仕事を早めに切り上げ18時過ぎに相賀君と群馬を出発。今回担当する林道の入り口前を通ってルネサンス棚倉へ。
HQでは主要スタッフがもう準備を始めており、お手伝いオフィシャルは何したら良いか分らずウロウロするばかり。
我々の受け持ちの林道のコマンダー園田さんを捕まえて相談。
早速荷物を積んじゃおう、という事になってバンに一杯の荷物を積み込む。

各林道ごとに積み込む荷物と数が一覧表になっていて痛く感心(ちょっと足りないものもありましたが)。
これを一人で切り盛りしている小島さんも凄い、昨年は来年はもーやんない!と言っていたが、みーんなラリーが大好きな様子が伺える。

積み込みが終わって部屋に帰ると12時を過ぎていて、相賀君と明日からのオフィシャルの話や今度初めて参加するラリーの話などしていたら2時を過ぎてしまった。
明日は4時半に起床、出発予定。

6月16日(金)
 朝、予定時間になっても引率役の園田さんが来ない。エントラントがどんどんレッキに出発していくので心配になって電話をかけてみても「電源が入っていないか電波の届かない・・・」
部屋に行ってドアをノックしてみたら何と出てきた、園田さん。
「寝たら起こられないと思って起きていようと思ったのに・・」なーんて言ってるのでコンビニで朝ごはん先に買ってるから、と私たちは先に出発。
コンビニで合流して林道へ。
園田さんがスタート側、我々がゴール側のレッキオフィシャル。
逆走で入って来る林道作業車や、別の道が崩れて通行止めになっているために迂回して来る一般車が沢山来て対応が大変。
占有許可は取ってあるのだが「帰れ」と言う訳にも行かないのでチョッと待ってもらい、スタート側に居るエントラントに園田さんから注意するよう連絡入れてから林道に入って貰った。
でも皆さん事情を説明すると状況を理解して、協力してくれた。中には「お前らのお遊びに付き合っている暇はねーんだ」などとお小言言われたりもしましたが・・・

エントラントの皆さんからはバンに積んである地元の方へのお届け用のビールの箱を目ざとくみつけて「良いねぇ朝からビールかい?」なんて言われ、いくら何でも朝6時から林道でビールは飲めませーん。
0カーの倫子ねーさん、地元の林道作業のおっさんにオーケツ見られたと大騒ぎ。
何でも林道中で用を足していたら、対向車のおっさんが来て見られたとか。
神奈川のハイレベルなコメントに恥ずかしながら一言も返す言葉が出ません。
(群馬の皆さんゴメンナサイ)。

他の車と何故か間が空いてしまった名越・鳥羽組が通過して2度のSS3レッキ無事終了。
急いでSS7に向かう。レッキのタイムスケジュールがタイトなためレッキ開始予定時間に競技車を従えた状態でギリギリで林道に到着。
でも競技長の小田切さんや市野さんなどHQスタッフがフォロー済みで1台だけ看板開設前に入ったようだが、三停板で代用して問題にはならなかった。
SS7のレッキも何事も無く無事終了。
一旦棚倉に戻って上州の後発隊と合流。翌日から使う林道を逆走してFF-STOP間のインターホンのコードを設置しながら今晩の宿、大子町に向かう。
昨年も泊まった宿に着いてマヅは何は無くともお風呂。昨日の晩は大浴場が既に閉まっていた時間だったので入れなかったから。お風呂上がってビール飲んでひと段落すると早2時、翌日も4時半出発との事で早々に就寝。

6月17日(土)
 大子からはダートはもうご馳走様と言う相賀君の希望で一般道を通ってSS3へ。
TC3で正谷さん、SS3スタートに佐々木さん、多比羅さんと順番に分かれて我々の受け持ちのゴール地点へ。
ここは相賀君、高橋君、園田さんと地元白河の鈴木さんと私が受け持つ。
ゴールから1Kmくらいのラジオポイントには地元の無線家らしい近藤さんが担当してくれ、無線コントロールしてくれたのにはとっても助かった。
競技は無事に進んでいるようで、予定通り00カー(相賀号)に乗った高桑さん登場。
んじゃーよろしくと競技車が来始める。

 ピンポーン、ゼッケン*号車、時間**時**分**.*でーす。
と続々とゴールしてくる。私がゴールタイム控えに記入し無線でHQに連絡、相賀君がカードを受け取り、高橋君がカードに記入。
鈴木さんがタイムボードに書き込むことを50台繰り返す。
競技車がゴールしてくる最中にHQにゴールタイムを衛星携帯を使って園田さんが連絡している。どうも受話器の音量が小さくてよく聞こえないらしく、受話器に向かって怒鳴っている。
インターホンのタイム連絡よりでっかい声で言っているので、目の前の車のタイム連絡が聞き取れない。
今思えば衛星携帯の置き場所を変えりゃ良いことなのに、その場では思いつかないもんだ、反省反省。

競技は1台コース上に止まっているが全然邪魔にはならないとの事でスタートを止める事はしなかった。
スイーパーの藤田さんが通過後ユニックを逆走で入れ、リタイア車をゴール近くの広場に移動させる。千葉の北島君のランサーだった。いつも物静かな北島君も走り出すと激しい走りをすることが伺える。
みんな一度50台の処理をこなしているので作業には余裕がある。するとゴールしてきた車から「1台川に逆さまに落ちて乗員は車の中だった」と話があり、一瞬緊張が走った。
すぐ次の車がゴールして来たので話を聞くと、濡れたクルーがOKマークを出していた、との事でみんなでホッと一息、笑顔になる。
その後もコース上の状況を私や園田さんが指示しなくとも相賀君や高橋君、鈴木さんまでもが聞いてくれ、安心してオフィシャルを任せられることがとっても嬉しかったです。

その後SS6撤収して明日のSS7のインターホンケーブル設置に向かう。
園田さんはHQにカードの半券を置きに行かねばならないので、私がみんなを引き連れて行った。フライング・フィニッシュの場所には人が居られそうな場所が無かったので皆でカマを使って居場所作りから始め、ケーブルが設置終わった頃にはすっかり暗くなっていた。

SS7から宿へはバンに付いてるカーナビを使って行ったが、途中SSにも使えそうなダート林道に入った時にはカーナビの指示を疑ったのですが、無事宿にたどり着く事ができた。

村営の宿、ホットハウスでは食べきれない程のご馳走をタラフクいただき、お風呂入ってビール飲んだらやっぱり2時で、みんな疲れ果てあっと言う間に寝てしまいました。

6月18日(日)
 朝はやっぱり4時半出発。途中のギャラリーSSではお馴染みの群馬のお助け隊が作業していたのでご挨拶してSS7へ。
今度は佐々木さん、正谷さん、高橋君がSSスタート。
相賀君、園田さん、私でゴールを担当。昨日の作業を考えると今日同じ事を3人でこなすのは辛そう。それもSSで何かあったらヤバイ。それで地元の車止めオフィシャルの方を一人借りてストップを手伝って頂いた。

今日も順調に競技はスタート。
すると予定通り地元TV登場。園田さんが撮影の段取りしてると競技車が来始める。
0号車の倫子ねーさんの黙って乗ってるレーシングスーツ姿を見てディレクターが、「良いですねぇ、あの方、お年はおいくつ位の方ですか?」

なーんて言うので園田さんが「30代です」なんて、おー嘘ついてました。
タレントのナスビも登場し、撮影開始。キャロッセの炭山選手のタイヤ交換を手伝ったとか。炭山選手がゴール時点でベストタイムだったので、「ベストタイム」を叫んだら、やけにその場だけ盛り上がり、拍手で車を送り出して撮影終了。
せっかく芸能人のサインや写真を撮れるチャンスだったのに、そんな暇全く無く、家で家族に話しても鼻にもかけられませんでした。

こんなの状況の中、HQからは衛星携帯がかかって来て10台まとまりでゴールタイムを連絡しろと言う、対応できませんと返事をしたのだが理解して貰えない。
MOSRAでもゴールタイムを全車連絡しているのに同じ報告を計時室用にしなければならない事は人手の余裕があれば可能だが、来年は対策が必要だ。
何とSS7では昨日SS3でリタイアした北島君が復活して、また落ちた。
クルーが車から降りるときに後続車が近づいて来たため、地元の不慣れなコースマーシャルが1台にだけ黄旗を振ってしまうミスがあった。
また1台道から見えないところまで落ちた、と言う無線が入る。
園田さんとSSを止めるべきか悩む。
ゴールして来る車にクルーの状況を確認するとOKマークが出ていたと分り、こちらもホッとしてSS続行。

次のSS10もSSスタートの佐々木さんのスタート時間報告の無線の後ろから正谷さんが絶唱しているのが聞こえて来る。
スタートも3人で悪戦苦闘してる様子が分る。ゴール側も一緒。
大きなトラブルでもあったら絶対対応できない状況。
コマンダーの園田さんも手一杯だが幸運なことに今回はトラブル無く終了。コースアウト車を久野さんが迅速に引き上げてHQまで運んで行ってくれた。

競技が終わったのを見て地元のジーちゃんバーちゃんが漬物を差し入れしてくれた。
林道脇の山のオーナという事だったが漬物とても美味しかった。
来年はSSの中で見て欲しい。

機材を撤収し、HQの棚倉に行く。既に表彰式も終わったようで皆、撤収作業中でお祭りの後の寂しさを感じる。
でも昨年のような張り詰めた物は無く、清清しい空気を感じた。
HQ奥の食堂にオフィシャルが集まった。
小田切さんからはオフィシャル協力に対する感謝の挨拶があり、最後には感極まったように涙する場面があった。
きっと昨年のラリーがこき落とされた事が余程悔しかったのだと思うが、今年はトラブル無く終了できた事を皆で喜んだ。

まだ細かな改善点は一杯あると思うが、少しずつ直して行けば素晴らしいラリーが開催できる事が確信できた。
何より福島には素晴らしいフィールドが沢山ある。
来年もこのフィールドを使った楽しいラリーのお手伝いに参加したいとつくづく感じた。