今年も年一の楽しいラリー、はと車の時期が来た。


上州オートクラブ&TeamTARGET 鈴木 博

 

 今回はラリー歴25年以上の超ベテラン、冷やし狸こと北爪さんがドライバーでのラリー参戦。
昨年のぎっくり腰参戦のリベンジに今年こそはと燃えている。
北爪さんの仕事の関係(ディーラの所長)で土、日は休みが取れず、年一のディ・ラリー、はと車だけにしか出られないので特に気合が入る。 早い話私とおんなじラリー馬鹿。
車は昨年のはと車から1年間タワーパーキングに熟成させていたCJ4Aで、4速が抜ける持病以外は問題無い、いわゆるはと車スペシャル。

参戦準備
 はと車ラリーは土曜日昼間のデーラリーなのでラリースタートが朝早い。我々は早起きが苦手なので昨年同様贅沢にも前泊の申し込みをして年一のラリーを満喫することにした。
でも今月はFQRCのラリーにも参戦していたので家族対策が大変。
我が家のFIAのご機嫌の良いときを伺いながら何とか公認を取り付け(とは言っても既に参加申し込みは済んでいたが)特別な準備もせずに当日を迎える。

出発
 FQRCでラリー初体験し、ラリーの泥沼にハマってくれた相賀君がサービスに来てくれる事になり、ロア・アームの治った相賀GDBで金曜日の晩野沢温泉を目指す。 途中一緒に参戦するビビオ佐々木さんの家や相賀君の仕事のお届け物をしたりしていて出発が遅れ、結局群馬を出たのは20時を過ぎた頃になってしまった。
そんな頃北爪さんから「着いたよー」と電話があり、今回のラリーをいかに楽しみにしていたのかが伺えた。
ネットオークションでバケットを長野の人から落札したので、途中で受け取ったりしていて更に時間がかかり、野沢温泉のペンションに着いたのは12時近くになってしまった。ペンションは昨年と一緒だった。

当日
 2時頃までサービスで来てくれた園田さんと四方山話で話し込んでしまい、眠い目をこすりながら6時起床。野沢もさすがに暑く、朝から汗をかく程だったがラリー日和の良い天気になった。
受付の野沢温泉村役場に行くとは既に殆どの参加車が集まっていて早朝に群馬を出てきた佐々木・正谷組も既に出走準備をしていた。
昨年は受付に行く階段を昇るのさえ辛かった北爪さんが颯爽と階段を上がって行けるので、それが普通の事なのだが何故かホッとした。 東京発のサービス隊も到着し、ラリー前のいつものバタバタした雰囲気になってきた。

今年は全SS0.1秒まで計測するとの事、ダートラ場だけで無く林道の計時も光電管を使って計測するとの事で、これは見習わなければと思った。
正谷さんとラリー全体の流れを事前に公表されているガイドを見ながら駒図に書き込んで行った。
昨年前泊の部屋が同室で知り合いになったラリーでは珍しいプリメーラ乗りの印南さん組も出場していて1年ぶりの再会で楽しく昔話に花が咲く。






ラリーの流れは、
 アベで1CP→野沢ダートラ場SS1→4km林道SS2→2CP(申告)→野沢ダートラ場SS3→3CP(申告)→サービス(1ST終了)
2km林道SS4(SS2短縮逆走)→4CP(申告)→林道SS5(昨年と同じ)→プール→SS6(SS5逆走)→SS7(スキー場上りギャラステ)→ゴールと言う構成だった。

0.1秒計時のSSゴールをスタート時間にした場合の次の申告CPの申告時間の秒未満の処理を切り捨てにするか、切り上げるかが分からず、2〜4CPの申告に不安を感じながらスタートしてしまった。
昨年と一緒で役場前の横断幕の下をスタートする。いつも夕方スタートするラリーでは見られないたくさんの若い女性に見送られて。昨年も感じたのだが、はと車の女性オフィシャルはみな美しい方ばかりなのがとっても不思議。

1CP手前のノーチェック終わり地点。20分くらい時間があったので周りの写真を撮ったりしてリラックス。
でも長袖のつなぎを着てヘルメット被ると物凄く暑い。アベ30で5秒前にスタートして、しばらく走ると1CPが見えた。
さすがにベテラン、ファイナル読み上げなんか全くしなくともファイナルはピッタリゼロ。CP員に正解は何秒?と聞くがニヤニヤしていて教えてくれない。
後で見た正解表では50秒が正解となっていたが我々は11秒でCPイン、あれ?・・・どーもCPの位置が違っていたようで私が控えた距離とは100mくらい違っていた
。はと車ラリーらしくないなぁと思ったら全車1CPは減点0となっていた。

 1CPを過ぎて今度は野沢オートランドのSS1へ。コースを見ている時間もほとんど無くすぐにスタート待ちの列へ。相変わらず凄いホコリ。前の前の車がトラぶったかスタートライン手前でちょっと待たされる。
車内はサウナのように暑く気が遠くなりそう、熱中症にならないよう無理に暖まったペットボトルのお茶を飲む。
今回はショックの設定を硬くしたそうでどんな具合か楽しみだ。

さあスタート。昨年の腰が痛い状態の走りとは全く踏みが違う。
ショックの設定を変えたのもいい方向に行っている様で、テールを出すのをドライバーが自在にコントロールしているのが分かる。
コースを探りながらの走りのため、ベストタイムには届かないが、可も無く不可も無い無難な走りでゴール。
そのままSS2の林道へ向かう。

この林道は昨年も走ったが、途中のコマ図で昨年とは違う方向に行き、昨年の倍の4kmあるSSとなっていた。
ここも54321でスタート。北爪さんは先ほどのダートラSS同様、コーナーのRに合わせてテールを自在にコントロールしている。
おっとっとというコーナーもあったが、無難にクリアして危険看板と左側にDUNLOPテープが張ってある直線に出た。
思わず「行ける」っと叫んだ次の瞬間、車が左の草むらに吸い込まれた。
北爪さんは右側の道路上に戻ろうと必死で車をコンとロールしているのが分かるが、何故か車半分道からこぼれた状態で100mくらい走った。
突然ドカーンと車が跳ね上がったので、道に戻れるかと思ったのだが、またしばらくそのまま車は半分こぼれた状態で走って斜めになって止まった。
一瞬転がる、と身構えたが何とか転落せずに斜面に引っかかった状態で止まった。

北爪さんが上になった状態で止まったので「早く出て、次の車も落ちてくるかも」と言ったのだがドアが重力の重みで開かない。
私が北爪さんのお尻を押して何とか脱出。
後続の車におっこっちゃった踊りを始めた。すると次に来たシビック、私の踊ってるところで止まりそうなくらい減速したので、右に寄って早く行けと指示したらアクセルを突然開けすぎたのか、我々と同じように左に車が傾いて行く。
あーっ!と思った瞬間ドカーンと跳ね上がり、我々の車の後ろに全く同じ格好でコース・アウトしてしまった。

人間の体を丸めたくらい大きな岩が草むらに隠れていたのだが、この岩が無かったら車は河原まで転がっていたかもしれない。
後続車に落ちている事を踊り続けて追い上げ車が来るのを待つ。
追い上げの4駆が到着し、まずは手前のシビックから。でも引っ張り方が悪いと河原まで転落しそうなので慎重に引っ張る。
大分、悪戦苦闘しながら30分以上かかって何とか上がった。幸運な事にシビックは自走できるようで我々のCJの引き上げを手伝ってくれた。
さーっ、こっちは上がるかなぁと皆で頭を抱えた。一旦前に引っ張ってみるが、道からこぼれた状態は全く変わらず、単に場所が移動しただけ。
今度は後ろから引っ張ってみるが、状態は一緒で返ってロープで引っ張って居ないと車がズルズル落ちて行ってしまう。
はと車のオフィシャルが沢山集まって来てくれ、人間が牽引ロープを持って転落を抑えて、4駆で引っ張ったりウインチを使ったりした。 ここでも、はと車のオネーチャン、か弱い細腕で皆と一緒に牽引ロープを引っ張ってくれるのには涙が出そうになりました。
ホント野沢には良い人ばかりを実感。何度も何度も少しずつチョッとずつウインチと4駆で引っ張り、 3時間もかかってやっと車上がった時には全員汗だくでオフィシャルの皆さんに心の底から感謝しました。

このコースアウト車の引き上げ作業は「エントラント側で勝手にやって」と言うオフィシャルを沢山見てきたので、絶対に諦めないで上がるまで手伝ってくれる事は人間性の良さを本当に感じました。
その後は、引き上がったCJをその先の広いところに止め、一旦サービス会場へ追い追い上げに乗せて行ってもらいました。
サービス会場で仲間の顔を見たらホッとしたのと同時に悔しさが・・。
我々の車引き上げでタイスケが30分も遅れてしまったようでした。
ゴメンナサイ。

北爪さんも悔しい、悔しいと連発している。実際1年ぶりの走りとは思えない良い走りをしていただけに走りきっていればタイムは決して悪くないだろうと思われた。
車を持ち帰るのにディーラーの所長の特権を使って東京の部下に今からローダーで来れないか、と電話している。「スグに行きます」と返事があった。 部下に慕われているのか、怖がられているのか・・・・

ローダーが到着するまでゴール会場に行って食事をしたりウダウダしていた。
夕方6時頃ローダーが到着し、車が置いてある林道に出発。
林道に到着すると我々のコースアウトした先で川まで滑り落ちたもう一台のシビックを小型のユンボで引き上げ作業をやっていた。
この作業もはと車のオフィシャルの方がやっていて頭の下がる思いだ。
我々のCJは左前のロアアーム、タイロッドなどが壊れてしまったため、ローダーを車の前に持ってくる必要があったが、林道が細くてローダーが入って行けない。
どうしようか迷っていると、ちょうどシビックの引き上げが終わったユンボでCJのフロントを持ち上げてローダーまで引っ張ってくれるという。なんて優しい人達なんだと益々頭が下がる。
CJのローダーへの積み込みが終わり、佐々木さんに電話したら見事優勝したとの事。
表彰式に間に合わなかったのが残念だったがローダーの帰り道がたまたま宿のペンションの前を通るので佐々木さん、正谷さんに首から金色のメダルを下げて出てきてもらった。
北爪さんは潰れた車とメダルを見比べてとっても悔しそうだったが来年のリベンジへの決心が益々固まったようだった。

ローダーと北爪さんはそのまま東京に帰ったが、佐々木さん、正谷さん、相賀君達と野沢温泉の外湯に入ろうと温泉街に出かけた。
温泉街の細い路地を上がって行き、車を止めるスペースが偶々あった河原湯に入る事にした。昨年は北爪軍団と別のお風呂に入ったのだが熱くてほとんど湯船につかれなかったが、今年は先に入っていた親子が水を入れてくれたお陰でちょうど良い湯加減でキツイ硫黄臭がしたが、これぞ温泉!と楽しむことができた。
翌日は我が家のFIA指定の店で野沢菜を買い込み、国道脇の地元の桃屋さんで安い桃を今後のラリー参戦への貢物として帰路についた。

 ラリーの結果は残念なリタイアとなってしまったが、はと車のラリーには随所に主催者の細かな心配りが感じられる素晴らしいラリーだった。
昨年は何が他のラリーと違うのかが分からなかったが、今年リタイアしてみてチームはと車のクラブ員のみなさんの優しさからくる事が良く分かった。
能力的には全日本戦でも開催できる力は充分あると思うが、このまま地方の草ラリーのままを続けて欲しいとも思えるラリーだった。 一番悔やまれる「おしぼりガールズ」に絶対来年は会って、佐々木さん、正谷さんらと首から金色のメダルを下げて写真を撮る事を心に誓った。







事後談。
何やら北爪さんはCJを見限って次の戦闘車を物色しているようで何になるやら期待と不安で一杯です。

以上 TeamTARGET&上州オートクラブ 鈴木博