■競技会名称:全日本ラリー選手権
四輪駆動部門 第2戦
MSCC TOKYO RALLY 2005■
■会場:茨城福島県内■
■開催日:2005年6月17日(金)〜19日(日)■
■エントリー総数:49台                        Photo & Report by Tommy

埃の匂いでラリー・ステージを実感って!

 半年以上ものオフシーズンを経て開催される、今年の初観戦ラリーの舞台となるのは福島。
今回は坂本カメラマンに東京からご一緒させてもらう為、観戦始まって以来の新幹線での移動となった。

【気がつけばラリー当日】
 「八重洲中央口で」という約束であったのに、久方ぶりのラリーと、都会の雰囲気に舞い上がってしまい、そのまま八重洲北口から放出されていた。
駅員に中央口への行き方を聞き、すっかりお上りさん状態で待ち合わせ場所へ向かうと、そこには改札口を覗き込む坂本カメラマンの姿があった。背後からの登場ですみません。

 東京駅の地下駐車場から車に乗り込み出発。首都高速道路から東北自動車道へと進む。矢板SAでLUNCH(和風きのこスパ¥700)に寄った。
 このSAを出た少し先のIC「西那須野塩原」で降りる。R461を経て目的の「ルネサンス棚倉」を目指すコース。最初に遭遇した道の駅、「那須与一の郷」へ立ち寄る。
那須与一像が弓を構え、矢を放った海辺を模した池のバックには扇型の屋根を持つ建物がある。与一は美男だったのか、銅像は意外にイケメン風である。
この中は野菜直販所で、どれも魅力的に安くて新鮮なだけに買って帰れないのが非常に惜しい。次の道の駅「東山道伊王野」には大きな水車.。
駐車場に車を止めると、蕎麦を引く小屋の陰になってしまい意外に目立たなくなってしまうが、季節柄至るところツバメの巣だらけ。












【会社以上に真剣な表情!? プレスミーティング】

 今回のHQ「ルネサンス棚倉」へ到着したのは17:15。車を止めて外で立っていると、選手がボチボチとサービス会場から宿舎へと引き上げて来る。
顔馴染みの選手と挨拶していると、この東京ラリーで00カーをドライブする高桑さんも見えた。
 18:00になったので、開会式会場へ。役員の挨拶の後、コース委員長より"Leg2のSS7へ向かう道幅が狭い"等の連絡事項や、選手からスタートのシグナルについての質問が出たりで、参戦する側の真剣な雰囲気を体感。
この後、19;00からはプレスミーティング。
メディア用に配布されたルートマップを参照しつつ、コース長の説明を聞きながらコマ図に注意書きをしていく。そのうち頭がパニックになり、Leg1の説明をしているのか、それともLeg2のSSの説明をしているのかが混乱してくる。
撮影おススメSSの紹介もあり約45分間のプレスミーティングは終了。
説明を書き取るだけで、結局は頭の中で整理のついていない自分と比べると、既に2日間のスケジュールとルートのイメージが出来上がっている坂本さんは、さすがはベテランという感じ。

 建物を出ると、外は日も落ちて真っ暗。一路、まだチェックインしていない土・日の宿、白河にある「プレザント白河」へ。
東北新幹線「新白河駅」周辺のビジネスホテル郡の中にある2日間の宿へ到着して、チェックイン後とりあえず荷物を部屋に置き、すぐ夕食を食べる為に車を出す。9:45頃、今宵は近場で見付けた「ガスト」で"イタリアンハンバーグ+デニッシュパン"のドリンクバー付でDinner。
こんなところでコース図を広げ、明日のスケジュールを考えたりと、なんだかプレスっぽい雰囲気満載で楽しい。
 ホテルへ戻る前にコンビニで明日の朝食を調達し、本日終了。
明日に備えて早く寝付こうと思い気負って布団に入ったが、枕が高いせいか?部屋が妙にきしむ音がするせいか?過ぎる時間を気にして時計を見ているうちに朝になってしまった…。

【砂をかけられ御満悦?】
 今週梅雨入りしたばかりの東北地方も、早速の中休みか今日は朝から天気が良くなりそうな気配。
1時間で準備を済ませ、6:30に部屋を出る。Road Bookのタイムコントロールがルネサンス棚倉スタートなので、まずはHQへと車を走らせた。
そこからコマ図に従いSS!へ、コース入りしてADVANフラッグを外して脇道の中へ駐車し、またロープを元に戻しておく。この時点で8;00を少し回ったところ。
少し先にオフィシャルの待機するRADIO POINTがあったので、様子を見に行ってはみたが、やはり車を置いた場所の方が撮影には良さそうなので戻る。
8:41に00カー。ただし先々行車定番のサイレンの音が聞こえない。代わりに"コケコッコ〜コケコッコ〜"!? 素敵なBGMと共に去っていったインプレッサは確かに00カーだった。まさか本番ギャラリーステージも鶏擬音警告音で登場するのだろうか?

走りの写真はクリックすると大きなサイズで見ることが出来ます。
 競技車を迎える場所は、少し崖を上った斜面に立ち、直線を向かって来つつ、ちょうど自分たちの脇で左コーナーへ差し掛かり消えていく感じの位置。
9:38に1号車。今日は石田(正)選手の黄色いランサーだ。隣を通過すると思ったら、石交じりの砂埃の襲来。雨が持ってくれた代わりに、ドライな地面から巻き上がる煙は相当なもの。
カメラを覆うように後ろを向くと砂幕が自分を通過していく感じが伝わってくる。
吸い込んだことが匂いでわかったが、"体に入ってきた〜"と思う一方、"現場に帰って来ました〜"という実感が込み上げてきて、思わず嬉しくなってしまった自分は既に変態の境地か。(間違いない)

 このSSが終わり、LUNCHの時間が取れそうな為、11:00頃「ファミリーレストラン」と看板のある店へ入る。
中の実態は焼肉屋のようで、ファミレスという割にはメニューには生肉かサイドメニューの石焼きビビンバ等の写真しか出ていない。冷麺をオーダーすると、飛び上がる程辛かったが、美味しかった。

【プレスパスで贅沢ビューポイントへご招待】
 次のSS5へは13:00頃にIN。オフィシャルの車の後ろへ駐車し、周辺を下見してみると、ここはどこで撮ればいいのか迷う程、魅力的な撮影ポイントだらけで嬉しい悲鳴。
最初は鋭角な右コーナーに差し掛かる車両を狙える位置に立つ。
自分の真横を通過する時には、撮影コーナーを抜けてストレートに入った車両を下側から見上げるような形になる為、競技車が通過する時の迫力は満点。

Cクラスの途中で、ここよりやや下ったコーナーアウト側に移り、先程撮影する為に立っていた辺りを今度は撮るような感じになる。
ここも途中で移動し、最初に撮った右コーナー直前の地点で構え、このコーナーに入る前の直線を流し撮り。車両が近付いて来ることが、上方から小石がパラパラと落ちて来る事でわかる。
エンジン音はまだ遠く、落ちてくる石もわずかながら、それがかえってラリー車が暴れまわっている様子がうかがい知れ、そんなものが今にも目の前を通過するのかと思うと、この現象だけでまた鳥肌が立つほどの興奮を覚える。

 15:15にSS%終了。真名畑林道という看板が見えたが、その林道を下山することにする。途中、リタイアしたBクラス大島選手に遭遇。昨年のキロロと同じだ。
坂本カメラマンの車でサービスパークまで牽引していくことになった。

地元の人で満席のホテル近くの居酒屋で夕食を終えて部屋へ戻ると20;00だった。
部屋のカーテンを開け、福島の夜景を眺める。こうしてラリーに出掛けて来て、ホテルからのその街のイルミネーションを見て感慨に耽るのが好きだ。

【痛い教訓!?】
3:55起床。TVを付けたがまだ放送前の局が多い。今朝は出発が早い為、チェックアウトは昨晩のうちに済ませてあるので、フロントに鍵だけ返却し、5:00にホテルを出る。
R289を走っていると、周辺には霧が掛かっていて、まだ薄暗いにもかかわらず、犬の散歩をしている人、この時間からコイン洗車場の番をしている地元の人達がいて驚く。
Leg2もルネサンス棚倉からスタート。
6:45に1本目のSS7に到着。オフィシャルのいるラジオ・ポイントには、既に数台のプレスの車も集まって来ていた。
どこまでも、どこまでも続くストレート。この直線をバックに入れて車が撮れたら…と思ったが、道路脇の草木が茂り過ぎてその中に入ると道が隠れてしまい、立ち位置がないのであきらめた。

そこでここよりずっと手前へと移動し今回は遠くS字から、ストレートを向かってくる絵が撮れる場所が開けていて良さそう。
競技車から見ると自分のいる位置は丁度ストレートから続く左コーナーをクリア中のアウト側になる。

プレス経験が浅く、また危険予知能力も低い為、安全圏を測るのが難しい。どこまで寄って撮れるかと構図にばかり気を取られていたが、石田(正)1号車が登場して度肝を抜かれた。

黄色い車体が数メートル手前まで近付いてきてやっと"これはヤバい!?"と危機感を感じ、カメラをかばうようにして背中を丸めしゃがみ込んだのだが、通過する際には"ドスドスドスッ!"という音が聞こえる程の石が背中にあたり、思わず「うっわ〜っ、痛ァ〜!」と絶叫。

石の当たらない崖上より撮影していた他のプレス方の視線がこちらへ飛んで来た。
Cクラス上位は、この教訓を生かして、望遠でストレート半ばまで撮ったら、後は無様にカメラを抱えてラリー車を背に逃げ出してはいたのだが、それでも石と砂埃の追撃は相当なもの。体を叩くと、モワ〜ッと煙が出る。だがB→Aクラスに移り、自分の気の中にも油断が出てきていたのだろう。

もう少し手前まで引っ張って撮れると思っていた矢先、直前まで迫ってきたストーリアの飛ばす石が、Cクラストップに匹敵する勢いで迫って来るのが見えた。
頭では"避けなければ!"と思っているのに、あまりの迫力に目を逸らすことができず、体も金縛りにあったようだ。気が付いた時には顔面に跳ね飛ばされた石がヒットし、弾みで眼鏡の縁が欠けていた。流石に"臨場感満点〜!"などとは思えず、モータースポーツは危険と隣り合わせだと言うことを改めて実感した。

【鎌田選手初優勝ラリー】
 続けてのSS10までにはもうあまり時間がなく、車を出すと後ろから00カーに追いつかれてしまったほど。少し行った所に車を止めて、流鏑馬場だという直線を馬の蹄の跡を眺めながら歩き、そのストレートを追える崖の上へ登った。

暑さもピークで立っているだけで汗がダラダラしてくるが、牧場らしい風景の中をこちらに向かってくる感じは、若干ニュージーランド風。
直線が長いので、遠くでは車体を小さく風景画のように、手前の左コーナーを抜けていく感じは、流し撮りでと1台で2度美味しい撮影ができる。
この流し撮り直後の砂塵は容赦がなく、オフィシャルのフェイスバンダナは正解だと思った。

周囲のカメラマンは、1台通過する毎に"フ〜ッ"と機材にたまった埃を吹き飛ばしている。汗でじっとりした顔に埃を浴びて、自分でも非常に「汚」という状態なのが分かる。
10:25にSS10終了。これにてあっけなく競技の撮影も終了。
今回も混乱なくプレスとして2日間を無事に終えることができたのです。

シャンパンファイトと表彰式の為、ルネサンス棚倉へ戻る。
11;25にサービスパークへ到着したが、またもやCクラス半ばまでは帰還してしまった後で車両はパルクフェルメの中。
少しサービス会場を回っていると、鎌田選手のテントから拍手が聞こえて来たので、今回の優勝者なのかな? 何しろ今回は順位や状況の情報を全く聞かなかったので、攻防戦の経緯やリザルトが判らない。

アナウンスがあったので、シャンパンファイトの行われる文化センター裏の芝生へ移動。
ここで初めて各クラスの優勝者を知る。A=平塚選手、Bクラス=原口選手、C=鎌田選手で、3台の車両が並び、その前に選手が集まっている。

司会者はMSCCの人ではなく、「なすび」と紹介があり、視線をやるとバッチリ目が合ったが、"ルネサンス棚倉の職員かな?"という印象。 確かに顔が「なすび」のようだし、あだ名でしょうと思っていたら、後で聞くとタレントだったらしい。今、思えばやはりマイク慣れしていたようで、饒舌なトークに引きずられて選手も心なしかコントのようなやり取りになっている場面もあった。

かなり笑える表彰式で、特に初優勝の鎌田選手には、「誰に一番に報告しましたか?」と言った質問がされた。
真夏のような陽射しの元、シャンパンの泡も車体に映える。
…しかしラリーはこの光景を見ると後は一気にお開きムード。
この後の懇親会には参加せず引き上げていく選手も見える。私達もHQで最終リザルトが出るのを待ち、結果をもらって帰路に付く。

 途中昨年も利用したR118沿いにある道の駅「はなわ」へ昼食に立ち寄った。
レストランへ入り、出されたオシボリ(使い捨て)で顔を撫でると、驚愕の黒さ。
大子町を通過する辺りで、道路脇に「鮎の塩焼き」屋を発見。 車を止めたと思ったら、しばらくして戻ってきた坂本さんの手には串刺しされた鮎が。 折角なので吊り橋まで散歩し、久慈川を眺めつつ頬張る。 丸焼き食べたのは初めて、しかしまた塩加減といい絶妙の味だった。

本当に福島で3日間も過ごして来たのかと思うぐらい、ついさっきこの東京駅に着いたばかりのような気がする。東海道新幹線は、日曜日の夕方で指定席が取れるか心配だったが、30分後の19:26東京駅発の「のぞみ」がとれた。
車中では、呆然と窓の外を見ながらラリーの思いに浸っていたのも東京の夜景が見えていた辺りまで、やがてカメラバックを抱えたまま眠り込んでいたらしい。

今年の初回ラリー観戦は何だか呆気なく終わってしまったが、この数日間に過ごした時間は、やはり自分にはこれがないと!と思わせるのに十分に充実した内容だった。