全日本ラリー選手権 第5戦
  MSCC東京ラリー2008
   
■福島県棚倉町■
■開催日:2008年6月13日(金)〜15日(日)■
■エントリー総数:57台
   
6月13日(金)晴
 出発から大騒ぎだった。「緊急停止します」の車内アナウンスと共に、線路のど真ん中で急停車したのが朝の電車。 ホーム以外の場所で止まるって… 、乗客の大半が不吉な連想をし、車両前方へ視線を投げる。するとその方向から「車内で緊急停止ボタンが押されました」のアナウンスと同時に"ドヤドヤっ"と駆けてくる乗務員2名。

連結部の窓ガラス越しに、すぐ隣りの車両で何かがあった様子が伺える。
しばらくして「運転再開します」。次の千種駅で停車した際、隣りのお兄ちゃんが様子を見に行く。走り出した後、戻って来て、誰かにレポートしたくて仕方がない様子。私も気になるので、無言の視線が交錯した後、「女の子の気分が悪くなり、千種で降りて救急車で運ばれて行った」とのこと。

更にこちらのスーツケースを見て、「飛行機か電車の時間、大丈夫でした?」。
そう言えば、ネットで検索した乗り換え案内の推奨時刻を無視して、保険に2本早い電車に乗っておいて良かったよ〜。続けて、「仕事ですか? 旅行ですか?」。またこの人は核心を突くような難しい質問を…一般的な話題のつもりで放った問いかけに、マジで解答に悩み出す私。
あなたは哲学者ですか? 彼は大学院生で、別れ際に「いいご旅行を!」と笑顔で言い残し去って行く。
この殺伐とした現代社会には珍しい爽やか過ぎる青年だった…。

東北新幹線では乗り継ぎもお上りさん仕様。お弁当選択時間付の乗り換え時間を取ってあるので、悠々と移動。
「鳥めし\800(700kcal)」をお供に、ホームへ上がる。 東北新幹線は、乗客密度が少ないため、快適。お弁当を食べて、車窓から外の田園風景を眺め、たまにワゴンの売り子が回って来て、列車の旅って感じだなぁ。

新白河で降りると、前をスーツケースを引く初老の男性。"出張かな?大変そう…"と思いながら、ふと荷物に貼られたステッカーを見ると、「elSPORT」の文字。こんなところで降りるからには、ラリー関係者でしたか!と、納得した次の瞬間、"あれ? エルシュポルトブランドって…"と気付いた瞬間、前をゆくその方が、名古屋から御一緒したと思われる、かの"社長様"であることが判明。一人、続いて一人とレンタカー屋に吸い込まれる。

その"かの有名な社長様"は私の存在を発見し、「昼食は食べたか」と。折角のお申し出に誠に遺憾の念を抱きつつ、既に先の列車内で"完"の旨をお伝えしたものの、そのままイタリアンレストランへ御連行。
あっ、あれっ? サービス会場が遠のくー…。

レッキスケジュールが気になりつつ、お店を出たのが15時過ぎ…。ルネサンス棚倉には16:00前に到着するが、レッキも終え、各サービスにはエントラント不在。 今年の開会式は、パルテノン神殿の中。しかし会場が狭すぎて入れず、写真はあきらめて外のソファーでまったりモード。
19:00からメディアブリーフィング。
6月14日(土)晴
 6:50起き→8:00発。プレミアインで他のプレスさんと合流。隊列を組んで走り出し、全員終結の待ち合わせ場所、「セブンイレブン」へ入ろうと、信号が変わり右折をしかけたところ、"グラグラ"っとハンドルを取られる。"こんな轍でハンドルを持って行かれるようじゃ、パッソいかんなぁ〜"なんて考えながら、コンビニのドアに手を掛けると、入れ替わりで出て来たIBさんが「地震があったね」と。レンタカーの車両の整備不良かと思っちゃったよ。

SS2の撮影場所はラジオポイント2のPOINT2。「ひむか」とイメージが重なるようなジャンクションを、突き当たり右コーナーを正面から。No.11の島田選手は、激しいフェイントだ!と思ったが、そのまま気持ち良くコースに沿うように左折!!ミスコースですが、その先のパイロンと駐車車両をとっさに回避したテクニックはさすが。後のNo.15の石黒選手もミスコース。No.27の村田選手までもが!?と思ったら、こちらはフェイントだった。

終わって、一部のプレスがサービスを撮りに戻ると言うので、私も後ろに続く。
車内の時計を睨みつつ、ルネサンス棚倉に入って行くと、勝田選手のインプレッサとすれ違う。
あと3分欲しかった! パルテノン神殿脇に駐車し、日差しの中、機材を持って走る!走る! 数台を撮った後、パルテノン神殿の中に入りDASHで昼食。ちょうど終えた頃、YGさんから東日本選手権のタイスケが遅れており、篠塚選手のデモランが撮れそうにないから、SSへ戻るとの連絡をもらう。来た道を引き返し、再びダート路面にさしかかると、日陰と日向の切り替えに目が付いて行かず、運転しづらい。
こんな中でタイムを競っているドライバーは本当にすごいなぁと尊敬の思い。

SS5はトップ4台を撮影し、ルネサンス棚倉へ戻る。タイムスケジュール的にはギリギリの感じ。再び機材を持って走る走る! セッティングを終え、ギリギリ1号車に間に合った!…と思ったのも束の間、アナウンスがない上に、周囲の雑踏でエンジン音も聞こえず、撮り逃してしまった…。
SSの後、サービスの撮影も終え、引き上げかけたところに聞こえて来る救急車のサイレン。ルネサンスに入って来たと思ったら、すぐ近くで止まった模様。本日三度目の走る、走る! コドライバーが暑さで熱中症で倒れた模様。
レーシングスーツにヘルメットで極限を戦う過酷な一面が伺える場面だった。引き上げ、途中で買ったコンビニ弁当を引っ下げ、20時過ぎにホテル着


 6月15日(晴)
 昨日のセブンイレブンで全員集合。今日のSSは、金曜日にレッキに出掛けたYMさん頼りで、筆頭に隊列を組んで出発。途中の川村役場付近までは、昨年の三株牧野へ行くルートと同じ。
林道に到着すると寒く、真冬のフリースを着てちょうどいい。

6月の「東京」と付くラリーでフリースが必要とは思わないし、それを言うならG.W.中の愛媛で真冬のベンチコートを持っていけば良かったなんて、考えもしなかった。ラ
リーは前年行った人の感想が本当に重要。
ここの撮影ポイントはスタートから3.6km地点のS字コーナー。立ってすぐには、こことプレスミーティングで渡されたPoint2がとても同じ景観とは思えなかったが、そこへやってきた地元のその道のプロ2名。目前にある邪魔な太い枝を、道具を使うことなく己の体重と腕でボキボキと払って行く。曲げた枝はどこからともなく取り出したテープで幹に縛りつけていく手腕はさすが。サブちゃんの「与作」のモデルかと思ったよ。

そこにプレス鎌レンジャーも出動し、お陰で最初はどこにあるのかと不思議だったS字コーナーがくっきりと現れた。
しかし、いざ競技が始まってみると、上げた砂煙で背後の路面が隠れ、直前のコーナーすら見えない様子。
予想外!? 先のヘアピンの曲がり方が、昔のWRCを思わせるようなアクティブさで、一同から歓声が出るようなカッコ良さで曲がっていくドライバーもいる。

真夏日でじりじりと暑い。一度、ギャラステへ顔を出し、忘れ物を取りに車に戻り、またギャラステへ戻ると、グッタリくる疲労感。砂の被膜を抑えるための散水車がギャラリーSSを往復し、視覚的にも涼しい。
リタイアをしてしまった番場選手が解説のアナウンスをしており、私が撮ろうとしているコーナーは、ゴール前の最終コーナーへ繋げるために(この最後のコーナーをできるだけアウト側から攻めたいので)かなり土手側にインカットをしてくるだろうとのこと。
それをどこまで寄せられるか、そして最終コーナー前でどこまでアウト側に寄せられるかが(側溝のグレーチングに"左"タイヤを乗せたいぐらいとのこと)ポイントらしい。こういうドライバー視点の解説があると、それならば写真は各車両の寄せ幅をクローズアップして撮ろうなどと参考にできるので、いいなと思う。ここはNo.38号車まで撮って、セレモニアルフィニッシュを撮るために引き上げる。

高山短大のサービスへ顔を出すと、香川選手がサービストラックに腰掛け、高みからコースアウトの解説中。下の砂利駐車場に戻り、ぬくぬくとしたオニギリでLunch。表彰式は、例年と同じルネサンス棚倉交流研修館研修館内のバンケットルームA、軽食が並ぶ立食会場で。

総合順位の表彰も、JN‐4の1〜3位に、4〜6位が加わったような形。石田(正)選手は、「こうなると何か(ミスを)期待されますが、何もやりませんでした」と語り、表情いっぱいに優勝の喜びが溢れている。ゲストの篠塚選手は「総合の順位1〜10位を見ても20代は石黒選手ぐらいで、ジュニアと言っても30・40代。もっと若手に頑張ってほしい。今日のギャラステを見ていたが、20代の走りに元気がない。毎回車を壊すぐらいでないと世界に通じる選手にならない」とコメント。

例年とほぼ同時刻にバンケットルームAから出ると、棚倉を後にして新白河駅へ。
ホームに入ると、ちょうど5分後ぐらいに自分が乗る列車の1本前の新幹線が出るところ。売店で福島のお土産を買い、ホームに上がる。毎年、同じ時刻に新白河駅を発つ車両なので、今年はあらかじめ指定席を購入済なので、楽だった。

過去は何故かいつもギリギリに構内に駆け込み、指定席を買う余裕もなく殺気立って自由席に駆け込み乗車だったから。ホームには人気がなく、独占したような気分。間もなく通過車両が参りますというアナウンスに、フラッと待合室から抜け出し、己の身一つで待ち構えるように線路脇に立つ。これじゃまるで…って、不審行動丸出しだが、コンパクトデジタルで流し撮りに成功して御満悦。
一度は乗ってみたかった憧れの2階建て車両にドキドキしながら乗り込み、窓から外の景色を眺めると、意外に普通の車両と変わらない景観にちょっとガッカリ。つまらないので、階段や車内の風景を撮って回る。ラリーからの帰り道と、夕刻と、広がる田園風景に、同じ路線でも行きとは全く違ったイメージに映り、毎年東京までの道のりは考え耽ってしまうような寂しさがある。