そこのカメラマン ド・イ・テ! 気合で勝っても雨には勝てず
   
■競技会名称:アジア・パシフィクラリー選手権 第4戦/全日本ラリー選手権 第6戦■
■ラリー北海道■
■開催日:2008年7月11日(金)〜13日(日)■
■エントリー総数:アジア・パシフィクラリー選手権32台/全日本ラリー選手権29台
   

7月11日(金)晴→雨
 
 空港で預けた荷物は17.5kg。待合室には奴田原選手ファンの夫婦の姿や、服装からラリー北海道に行くと思われる人物も。機内に持ち込んだカメラリュックを、もっと前方座席の下に押し込めと、「ひむか」の時は同じ状況でも何も言われなかったのだが、今回は実習中のスチュワーデスだったので、マニュアル通りなのだろう。最後の「責任者の判断を仰ぎます」発言には、キレそうになった。

気を取り直し空弁をご開帳〜。3点セット(天むす、手羽先、奈良漬)」は、隣りの睡眠中の女性を起こすほどの臭気を放っているらしい。機内の滞在時間を有効活用したい上、現地に着いたら1分の無駄な行動もできないので、黙々と箸を進める。
レンタカー屋を13:00に出発。目的地に設定した『ホテルヒーロー』に着くと、まだ14:00前、チェックイン可能時刻の15:00には程遠いが、部屋に入れてもらえるという。
ラリーショーまで時間もあることだし、部屋に居るのももったいない気がするので、サービス会場でも下見に行ってみようかな。

ナビへ「北愛国交流広場」の住所(帯広市愛国町10番1)を入力して出発。雨の中、"ギャラリー駐車場"の看板だけを頼りに県道から林道のような側道へと入って行ったら、途中で看板が消え、やがて行き止まりに。えぇ、ロストです。何とか方向転換をし、感覚でサービス会場方向へ進んだら、突然ギャラリー駐車場に到着。今日は警備員もいないので、トボけて車両脇で撮影。雨で閑散としたサービス会場を後に、一旦ホテルへ戻る。

それから準備をして、17:30にラリーショーへ向け再びレンタカーを出動。「帯広競馬場」の駐車場に着くと、激しい雨に車から出るのを躊躇してしまうほどで、車内で横になったり小降りにならないものかと期待するが、"もしかしてスタートを撮るのに場所取りが必要だったり?"と思い、カメラを下げて歩き出した。建物に入ると、モニターを眺め馬券を買うおじさん連中、売店に並ぶ人達の雑踏の中で、全身真っ青の、無意識に視線が1点集中してしまうようなものすごいオーラを放っている方が一人。勝田選手だった。
本人は至って脱力系の様子で立っているのに、何故だろう。近付いて話し掛けると、人懐っこい笑顔を浮かべてくれる。この性格が人気の秘訣で、更に違う人から声を掛けられていたので、その場を離れる。

2Fの屋根のあるベンチに荷物を置き、ラリーショーへ。
傘を差しながらなので、歩くのも大変なぐらいの人の波。勝田選手はダンロップのキャンギャルに挟まれ、にこやか。ADVANはテント持参で奴田原選手は椅子に座りサイン会。
後ろで普通にレースが開催されていることに気が付いて、ビックリ。モニターを眺めながら馬券を選んでいるおじさんは、今日のレースのだったのか。

 セレモニアルスタートが近付くと、観戦エリアがポディウム近くまで開放されたため、最前列まで降りていく。レインコートを羽織り、カメラバックはビニール袋へ
。カメラにも雨合羽を着せる。雨の日は装備が大変!
市長挨拶の後、"君が代"斉唱という流れは例年通り。0カーがポディウムに現れると、花火が打ち上げられる。花火とラリー車の組み合わせって、華やかなもの同士、絵になるんだよね。最前列とは言えども、並列なので通過する車両に手を伸ばす近隣のギャラリーの手が被ってしまい、"車両に伸びる無数の手"というホラー写真か?と見間違えるような泣ける写真になっていることもしばしばだが、旗を振ろうとしていたお隣りのご夫婦は、わざわざ場所を変わってくれたりもして、とても有難かった。


7月12日(土)大雨

 3:05起き→4:20発。お気に入りのCDに入れ替えたら、陸別目指して走り出そう。早朝の市内は交通量もほとんどなく、懐かしい音更から高速に乗る。池田町の料金場では、一目見た職員のおじさんが、「ラリー観戦?」と。
向かうギャラリーの車が至るところに走っているものと思ったが、全く見当たらない。道は空いていていいのだが、毎年陸別までの道程は霧が発生する。

「オーロラタウン93りくべつ」には5:40着。オフロードサーキットへ近付くと、ゲート直前まで行ける。それもその筈、早過ぎたようでギャラリー3番目。ゲートオープンが6:30になっていたから、当然かな。車外へ出て皆話しているが、そんな気力もなく車内でボーっと。オープンの時間が迫ってきたので、すぐに降りられるよう荷物をまとめる。ギャラリー駐車場に止め、車を降りると、九州のクラブ、FMSCのOHさん。北海道まで見えていたとは!と驚いたものの、挨拶もそこそこにとにかくゲートまでダッシュしなければ!

撮影は場所が命です。チケットを見せ中へ歩き出すと、いきなりFエリアへ向かう階段の難所が待ち構える。普段なら何ともない道も10kg超えのカメラリュックと、もう一つ別にサブバックを体に背負っていると一気にペースダウン。体に二宮金次郎のような微妙な角度が付いている状態で、数人に抜かされながらも、1歩足を出すだけで精一杯。
広場を抜けた先にあるバス停留所で迷わず車内に吸い込まれる。

'05年のラリージャパン時には、"バスより歩いた方が速い"と見送ったのだが…。
今回はある程度の定員になったところですぐに発車、有り難い。エリアCで下車し、そこから更に黙々と歩く。目的のジャンプスポットは地形からすぐにわかったが、どの角度で撮るのがベストか悩み、数メートル歩いては"う〜ん"と唸り、戻ったり。
すでに陣取っている方が一人。目が合うと「おはよう!」と挨拶をくれる。「ここはどんな感じですか?」と聞くと、前のコーナーから視界に入り、ジャンプも綺麗に見えるので良いらしい。昨年のラリージャパンもここで撮ったとのことで、「お隣りいいですか?」。

エリアCの奥まで見に行ってみたが、2004年のラリージャパンで立った場所で、俯瞰気味な上に姿勢変化もあまり期待できそうにない感じ。先程の場所に戻ると、おじさまが何やら応援グッズを取り出す。No.77のご友人だそうで、自作のフラッグでした。

APRC上位は、路面コンディションが"雨降り後で良かった"と思うような勢いで通過し、車体が浮いていることが写真ではっきりわかるほどジャンプも高い。
全日本ラリーが始まるまで15分ほどある。雨が当たる感触がし、周囲を見渡してみるとレインコート姿にお色直し中の方もチラホラ。競技途中で本降りになると面倒なので、私も今のうちに準備を済ませてしまおうとレインコートに頭を入れると、エンジン音が近付いてきているのがわかった。

"0カーだ"と、目線だけ投げると、視界に入ったのは青いインプレッサ!!
"ほえっ!?" いきなり全日本が始まるんだぁ…。初号機を撮り損ねてしまいました…。
最終走者の大井選手まで撮影して、次のBエリアへ移動。お隣りのおじさまは、Fエリアが観戦場所だそう。またサービス会場でお会いできるといいですね。

C→Bエリアへは連絡通路で繋がっているので、場所取りのため早歩き。やっぱりウォータースプラッシュ前はもう埋まってしまっているだろうか。…と思い、Bエリアへ到着すると、一瞬エリアを間違えたかと思ったほどの拍子抜け。
ギャラリーエリアは閑散としており、ベンチ等を置いての場所取りもほんの3〜5カ所ぐらい。炎天下、どの角度が一番美しくウォータースプラッシュが見渡せるかとカメラを覗きながら、場所の選択できる贅沢を噛みしめつつ右往左往していると、すさまじい静寂に包まれていることに気が付く。

ふと我に返り、周囲を見回すとギャラリーはおろか、オフィシャルの姿もない。
えっ、置き去り?
 こんなところで4時間半近くも過ごしたら干物になってしまう。Aエリアを伝ってバス停を目指し、駐車場へ帰る。文明の利器エアコン様の恩恵にあやかりつつ昼食を取るが、目の前の駐車場番のオフィシャルの方と何度も目が合い非常〜に気まずい。
まだ時間があるので車内で昼寝。12:30過ぎに歩き出すと、偶然並んで先程のCエリアのおじ様。Fエリアで別れて、バス停へ。歩くとじんわり汗が出て来る陽気で、午後の始発は13:00のようだが、冷房の効いた車内を開放してもらえたので、助かった!

Aエリアで降りて、Bへ戻る。けなげに帰りを待っていてくれた荷物達。隣りの2つ並んだお揃いのベンチに戻って来たのは、お父さんと男の子。お弁当を広げ、仲の良い様子の伺える会話で、微笑ましい。タバコを吸いに喫煙所へ立った父が不在の間、一人になった息子の方から"カッカッ!"ともの凄い音が聞こえ、うつらうつら寝ていた目を向けると、ご子息様は必死の形相でコンビニゼリーのカップをかき込んでいる。ゼリーにあそこまで集中できる心を既に失くしてしまっている私は、視線を逸らすことができずに、その真剣ぶりを眺めていると、今度は食べ終わったゴミを捨てようと、弁当のゴミの入った袋の口を力ずくで左右へと引っ張っている。お陰でどんどん締まる結び目に、側へ掛け寄ってほどいているところへ父登場。

APRCを待つ間にあれほど激しかった日差しが段々と雲に覆われ始め、東の上空では雷がゴロゴロ言っている。ギャラリーが不安そうに同じ方角に目をやっていると、やがてプレスも登場し、準備万端で来るラリー車を待つ。正面には、ラリーアートのSGさん。対岸の私へ「おぉ〜い、何やってるの〜?」と声を掛けてくれる。まさに0カーが通過し、スタートする直前という頃になって、ポツリポツリと頬に当たる雨。途中で準備するのもこれまた面倒だしと、カッパを着てリュックをビニール袋で包んだところで、本格的に降り始めた。

隣りの男の子が、「お父さん、傘を置いてきちゃったの?」と話しているのが聞こえ、折り畳み傘を渡すと、雨の中、楽しそうに歩き回っている。この雨を楽しめる純粋な心も、こちらもはや喪失済…。遂にはバケツを引っくり返したような降りになり、ふとレンズを覗く目を周囲に向けると、もうほとんどのギャラリーが木の下に避難していた。
APRCの途中まではシャッターを切り続けていたが、頭上にまで到達した雷が凄まじい音と光で威嚇するので、自分の持っている一脚に落ちるのではないかと恐ろしくて仕方がない。そのうち真面目に死ぬのではないかと思えるほど身の危険を感じ、断念して木の下へ移動。

木陰といってもほとんど気休めで、一度うずくまってしまうと、もう顔を上げることすらできない。ラリー観戦を始めて以来の最も激しい雷雨ではないだろうか。
いつの間にか全日本戦との30分休憩に入っていたようだが、状況は一向に変わらず、"やんでくれ!"と天に祈るが止む気配すらない。ギャラリーは大方が皆、撤収してしまったようで、この孤立間がまた一層悲惨な状況に拍車をかける。
手元の時計すら見られない状態なので、どれぐらい時間が立ったのかわからないが、そろそろ全日本戦が始まるのではないだろうか。何かに突き動かされるように、雨の中、意を決してヨロヨロとポジションへ向かう。

合わせたかのようにNo.61号車登場となったが、感度を上げてもシャッタースピードが確保できない。ウォータースプラッシュは一瞬が命!なので、何ともイタイ。
トップから数台撮ったところで、上から叩きつけてくる雨はまるで、他にギャラリーがいないから、残ってる目標物に一斉攻撃を仕掛けてくるのかと思えるぐらい容赦なく、たまらず再び退散する。すぐ後ろをラリー車が通過しているのに、背を向けて歩き出す悔しさと言ったら。先程の親子は並居るギャラリーがとっくに避難してしまったというのに、撤収の準備をしていると傘を返しに近付いて来る。もしかして待っててくれたのか、逆に気を遣わせてしまったのかなって思う。

Aエリアを抜けてバス停に向かう途中の観戦エリアもやはり閑散としている。バスに乗り込んだ時の様子ったら、全身ズブ濡れで、手にもグチャグチャになったビニール袋なんかが掴まれていて、見るからに惨めな様子。歩いてFエリアを通過する時、出店が片付けの作業をしている傍らで、知り合いが雨宿りをしている。聞けば、状況はどこも同じだったようで、一様に憔悴した感じ。車両に戻り、レインコートを脱ぎ、荷物が置けただけでも、ほっとする。後部座席はとりあえず放り込まれた物で惨状と化している。

とりあえずは「オーロラタウン93りくべつ」」でトイレ休憩をし、サービスを目的地に。ここにきて晴れ間から日差しが顔を出し、小雨が降っているとは言え先程と比べれば、うらめしいような回復ぶり。足寄I.C.から池田I.C.へ。北愛国へ近付くと、上空には再び不穏な暗雲が立ち込めている。ただ暗いだけではない、夕刻の時刻と重なって不気味な空の色に、怖いような、自分がどこにいるのかわからなくなるような、不思議な世界が広がっていた。駐車場へ到着するが、ラリージャパンでシャトルバスによってピストン輸送をされたと同じ会場とは思えないぐらいに、予想外にサービスに接近した位置まで行けてしまった。しかし車外へ出るのがためらわれる程の雷が鳴り響き、一瞬真昼かと思うほど稲光で辺りが明るくなる。あまりのおどろおどろしい雰囲気に、どうしたものかと寝そべって考えるが、サービス風景を逃してしまうような気がして、閃光の中へ傘を差して歩き出すと、対向する人から「こんばんは!」と声を掛けられる。

しかし真っ暗闇ですぐには返せず、しばらく凝視をして相手を認識すると、陸別のエリアCでご一緒したNo.77車両のお友達の方でした。よくわかったな〜と思うと共に、三度会うなんて奇遇。もうサービスは撮り終えて、これから千歳へ帰るところだという。そのサービスはと言うと、足元が水溜まりだらけで、車両を目で追いながら歩いていると、靴ごと浸してしまいそうだ。全日本がボチボチとテントに戻って来始めたよう。ヘッドライトを付けて向かってくると、どの車両が戻ってきたのか全くわからない。止まない雨と、柵越しでまともな写真が撮れないこととで、しばらくウロついてから切り上げた。今晩もコンビニ弁当で1日を終える。


7月13日(日)晴

 5:30起き→7:00出発。ナビ様の言う通りに音更を抜け、途中から農道のような裏道に入ると、車両はますます少なく、たまに地元ナンバーの車両に遭遇するぐらいでギャラリーらしき車はゼロ。私だけ観戦場所を勘違いしているのではないかと思うような不安感。しかも「三菱自動車工業十勝研究所」に着いたら本日もまた早過ぎたよう。

最初に話し掛けた警備員は「シャトルバスが出る」とか言っているが、それはラリージャパンの話ではないだろうか。
車で待っているのも無駄なので、荷物を整理し階段を上がって行くと、橋の手前でチケットの確認を行っている。ここでもギャラリー5番乗りの早さ。オフィシャルの方が言うには、昨日の雨で水溜まりができ、長靴でもないとギャラリーステージまでは歩いていけないとのことで、何台かでピストン輸送をしていただけるとのことだった。

ラッキ〜。昨年の「SS13:SINOTCAKI2」と同じ場所だが、ギャラリーステージからの撮影なので視点が高い。ここしかないでしょう!という位置にパイプ椅子を置き、何気なく地面を見ると、毛虫。えぇぇっ!と、改めて周囲を見回すと、そこは「毛虫の森」だった…。拾った木の枝で一匹ずつ転がしていると、横の夫婦の奥様のセリフ。「見ない方がいいわよ」。その悟ったような涼しい顔に、哲学を感じました。
カメラのセッティングをしていると、後ろから「あ〜っ」という声。LEG1の陸別で知り合ったショータ君。
今日も並んで観戦です。やがて登場する撮影班外人部隊。何カ国語かが入り乱れるグローバル展開の中、青・赤・黄のチームフラッグを持ち、SUBARUの帽子を被るショータ君は格好の被写体。
「Cute!」と言う声とともに何台ものカメラに囲まれる。

競技の撮影は、カーブで車速が落ちるので、数コマ稼げる。気分良く撮っていると、視界を遮る影。
んっ? 見ればグローバルメディアがレンズの延長線上に立っているでないの。ヲイヲイ…と思っていたら、目線が合った!
無敵のボデーランゲージで、前に突き出した両腕を大きく右から左へ動かしつつ、「ど・い・て」と声を掛ける。感動の国際交流で意思が通じ合った瞬間。レンズの前どころか、視界から消えてしまった。仕事、いいんかな?

後ろからは「気合勝ちだね」と言う声が聞こえ、こちらの方が恥ずかしい…。
そんなメディアはアジパシ狙いなので、大方撮影すると次のSSへ一斉に撤収してしまう。全日本が始まるまでの間、椅子に腰掛け待っていると、ズボンに妙な気配。毛虫が必死に天を目指して衣服を登ってきているではないの。隣りの家族連れのパパさんズボンにもやはりハイハイ。たまに毛虫が落下傘のように毛をフワ〜っと逆立てて木から地面に舞い降りてくる様子が見える。

暑いぐらいの陽気だが、帽子を真深に下ろし、首までフリースのジッパーを上げ、防備。全車を撮り終え、駐車場へ。水溜まりには渡しの板が敷かれ、何とか通行することができる状態にされている。サービスへ戻ると、全日本のリグループ中で、リフューエルに向け、順にパルクフェルメを出て行くところ。
「SS18:OBIHIRO2」のゲートオープン時間が15:00と決まっているようなので、一旦レンタカーに戻って昼食。しかし暑さとラリー中の興奮状態にあって全く食欲がわかず、朝食用に買ってあったドーナツ一つに、おにぎりは1個を食べ切ることができなかった。

14:30に車を出てゲート前に着くと、すでに3組程が前に並んでいる。日陰がないので、ただ並んでいるだけで体力を吸い取られていくよう。2006年のラリージャパンを思い出すなぁ。ゲートが開き、小高くなったギャラリーステージからコースを見渡す。等間隔で並んだパイロンがちょうど邪魔にならないよう、隙間からコーナーを狙える位置がいいかな。椅子に腰をおろし、一息付こうと思った瞬間、"あ…車に予備メディアを忘れてきた…"。
このSSの後、ポディウムフィニッシュになだれ込むので、枚数的にちょっと不安かな?
またカメラを肩に担ぎ、今来た道を引き返す。もう意識が遠のきそうにジリジリと暑い。

スーパーSSだが、今回は並走はなく、1台ずつ出走。人工的に作られた特設だから…と思っていた割には結構カッコ良く撮れる。しかもコースからは距離も高低差もあるから…と高を括っていたが、これが風向きによってはまともに舞い上がった砂埃を浴びることになった。ここでも仕方なくアフガンゲリラに仮装。途中、左脛に"チクッ"とした感触があり、ズボンを捲くると、血が点になって滲んでいる。"虫かな?"ぐらいに思ったが、1分間隔で車両が登場する中、処置もできずそのまま気にせず放置した。それがその後、3週間にわたり私を苦しめることになろうとは…。

スーパーSSにハプニングは付き物だが、せいぜいパイロンを弾き飛ばした程度で問題なく競技は終了した。全日本は北村選手の初優勝だと言う声が周囲から聞こえて来る。今年のラリー北海道、最後のSSの最終走者は田口(幸)選手。スタート前に「初めてエボ]が帯広を走ります!」ってアナウンスされていました。

途中、背後から声を掛けられるアフガンゲリラ。振り向けばショータ君のお父さん。
「ポディウムの前に場所が取ってあるので、よろしかったら」と。わ〜い!
全車を撮影し終え、サービスへ向かう。パルクフェルメに全日本の車両が待機し、ドライバーは雑談中。すぐに全日本のセレモニアルフィニッシュが始まりそうだったので、撮影地点探しへ。場所取りをしてあるって言ってくれたのはどの辺りなんだろう?…と、ポディウムとの構図も見ながらキョロキョロとしていると、呼ばれているような声がするが、誰もこちらを見ていない。更に呼ぶ声は、上の方から聞こえて来ている?と、ふと目線を上げると、いた〜!

業務用脚立の先端からショータ君パパ。私を見ると、「もうメディアがないので」と言って場所を譲ってくれる。上がってみると、ポディウムの真正面、メディアスタンドの最上段にいるプレスの方と目が合ってしまい、エヘヘ…。そんな高さ。絶好のロケーションに大感謝です!ちなみにメディアスタンドは幕で覆われており、こちらの顔しか見えないから相当に不気味なハズ…。首が伸びている訳じゃないんですよ。そして計ったように滑りこんで来るのは全日本ラリー初優勝の北村選手。優勝バージョンの黄金の扇子を片手に車両から降り立つ。

全車両が通過した後の会場は、毎回同じように急に物悲しい夕刻の風景へと変わる。
脚立のお礼を言って、サービスを回るが、ほとんどのテントは店じまい中でエントラントもいない。金の扇子が広がりっぱなしの北村選手は、ファンに囲まれ記念撮影。特別な場所であったはずのポディウムに戻ると、もうすっかりただの材料に分解され撤去作業中。ショータ君親子がまだベンチに座っているのを発見。実はここ「北愛国交流広場」を管理している会社の関係者の方で、作業中の皆様とお話し中。そのまま一緒に駐車場まで行って、「またどこかのラリーで」と別れる。

今回はどっぷりギャラリーだったけど、久し振りにいろんな人との交流が楽しめた思い出深いイベントとなった。真っ暗になったサービスパークのギャラリー駐車場は、もう自分の車しか止まっていない。「向こうから出られるよ」と教えてもらった出口から、しかしこのままホテルに帰るには忍びなく、ナビを全日本ラリー選手権表彰式会場となる「十勝幕別温泉グランヴィリオホテル」にセット。到着すると全日本エントラントも続々集結中。通常の全日本選手権とは様子が違うためか、表彰対象のエントラントの行方不明者続出。終わってホテルへ。機材やら昨日使用した雨具やらのパッケージングをしつつ就寝。


7月14日(月)

 7:00起き→8:40チェックアウト。今日の予定はスイーツフェア〜。
まずはご近所の『六花亭本店』へ。時間も早いし、平日だしで開店しているか不安だったが、ガラス越しに店内をのぞくと営業時間中!行く度に新作が置いてあり、なんて罪なお店なんだろう…。とてもスーツケースには入らないサイズの紙袋を提げて、次の目的地は今が旬!行かなきゃ損!の『花畑牧場』。帯広広尾自動車道を降りて合流した国道から、"こんなところを右折するの?"…と言うような側道へゆけとナビ様は言う。

しかし前を走っていた、シルエット的におばさんがテンコ盛りのレンタカーも同じ道を入って行く。そのうちそんな車が右から左から加わってきて、牧場へ続く最後の1本道はツーリング隊列状態に。初めて坂本カメラマンとここに訪れた時と比べると、随分メジャーになってしまった感じ。着くと、みんな一目散に店内に入り、お目当ての"生キャラメル"とご対面。意外にもここでは山積みになっている。壁には"恐喝行為による大量購入の禁止"条例まで公示されていた。個人的には生キャラメルよりも、"カチョカバロ"なるチーズの方が興味あったのだが、こちらは残念ながら売り切れ。

そしてここで昼食を取ろうと目論んでいたのだが、数年前にチーズリゾットに感激したレストランは、生キャラメル生産工場へと様変わりをしていた。花畑牧場から帯広空港までの道中には、北海道らしい雄大なパノラマの景色が広がり、何度か車を止めて写真を撮る。ほぼ予定通りの10:50にレンタカーを返却し、そのまま空港へ送ってもらう。
運転しながらレンタカー屋の方が言うには、「例年はもっと爽やかなんですけどね〜、今日は蒸し暑いですね」。
えぇぇ! 中部地方在住の立場からすると、爽やか過ぎですっ!
普段の熱帯夜の不快指数と言ったらどえりゃ〜たまげますよ、ホント。
空港ではまだ買うのかと言う勢いでお土産を追加発注。そして何食ぶりかにコンビニ弁当意外の食事が摂りたくなり、レストランへ。
到着した空港のタラップをおりた瞬間の熱気に完封負け。この瞬間すでに次回北海道へ再び戻れる日が待ち遠しく思えて仕方がないのでした。