Vol. 3
  
  
沢山撮ってきたラリーの写真の一枚一枚に歴史が刻み込まれていましたが、
行方知らずになったり、処分されていたりで手元には少なくなってしまいました。
それでも、ごく一部の写真に当時の激戦が思い出されます。
  

 日産・三菱についで1984年にグループBセリカで初参加して、84年ワルデガルド、85年カンクネン、86年ワルデガルドのドライブで3年連続優勝を飾った。

 チュルヒルという広大な草原では、ユラユラ揺れる陽炎の先に雪を冠したキリマンジャロが見える。
ライオンに襲われたのか、骨格だけが残るヌーの死がいに、命をかけた自然の営みを垣間見ることができた。
照りつけられつ日差しを遮るものは何もなく、車の中に置いてある生ぬるい水でさえ、冷たく感じる。

しばらく待つと遠くから飛行機のエンジン音が聞こえて来る。その後方では空高く砂埃が舞い上がっている。
「来たぞ!」 カメラを構えるが、シャッターを押す位地に来るまでは時間がかかる。
FRだったセリカは、まるで水面を走るモーターボートのように、リヤを沈み込ませながら疾走していった。

ファインダーを覗いていても激しい動きを感じる事はなく、勝ち方を知っているドライバーと信頼出来る車の走りだった。