撮影の上達は忠実に行う5つの基本

 「写真を上手に撮るにはどうすれば良いのですか?」 良く聞かれるセリフです。
私は、5つの事を確実に実行してください」・・・と答えています。

■ピントをしっかり合わせる事。
■露出を正確に合わせる事。
■カメラブレしないで撮る事。
■カメラの機能を理解し出来るだけ駆使する。
■シャッターを切ろうと思った所より更に前に出て撮る。


 「そんな事はいつもちゃんとやっていますよ、第一ピント合わせや露出はカメラがやってくれますからね。」
そうなんです。現在は、これらの技術的な事はすべてカメラが高い精度でやってくれているのですが、これが盲点になり安心してカメラに任せきりの人が多く、つい油断をしてしまい失敗につながっているようです。
確かにいまのカメラのオート機構は素晴らしく、複数の場所を瞬時に測定するマルチ測光と言う機能で、被写体の最適な露出を決めてくれます。

 以前、友人が旅行に行ったと言う写真を見せてくれました。ヨーロッパ旅行だったので歴史ある建造物が沢山写っていたのですが、そこに写っている人物の大半がピンボケになっていました。
本人はあまり気にしていない様子だったのですが、指摘すると、「お前に言われたとおり、画面の中心にばかり人を入れないで撮った。」と言う返事でした。
このカメラはファインダーの中心でピント合わせをするタイプのもので、背景である風景にピントが来てしまい。肝心な手前の人物がピンボケと言う事になってしまったのです。 この話をすっかり忘れてしまい、人物の位置ばかり気にした結果でした。


写真上)5点の測光ポイントを持つカメラなら、赤丸印のところに測光ポイントを置いて撮れば、手前の標識にピントが来ます。

 オートフォーカスは便利ですが条件によっては失敗する事があります。たいがいのカメラではファインダーの中心部でピントを合わせる様になっています。
ところが手前に人物などを配してもファインダーの中心ではない場合、中心の部分、たいがいは背景なのですが、ここにピントが来てしまい、肝心の人物はピンボケになってしまうのです。 この場合、 人物などのピントを合わせたいところを一旦フレームの中心に移動し、シャッターを半押し状態にしたまま本来のフレーミングに戻してシャッターを切るフォーカスロックと言う作業が必要なのです。
最近の大衆機にも、ピント合わせをするポイントを移動させる事の出来る機能がついたものが多くあるようです。 ファインダーの中にあるピント測定マークを移動する事によってオートフォーカスのまま撮影する事が出来るのです。
しかし、いちいちシャッターを切るたびに、どこでピント合わせをしようかと測定位置を移動させる事の面倒くささを考えると結構な労力になってしまいます。
車の走りを撮る時にコーナーで陣取り「車をフレームの左側にレイアウトして撮りたい。」というような時には、ピント測定マークをフレームの左側において置けば、後はそのまま何枚でもシャープな写真を撮る事が出来ます。

  露出にしても同じ事が言えます。被写体のどの部分を測候するかによって大きく露出が変わってきてしまいます。 車で言えばボンネットとドアなどのサイド部、下の方のスカート付近では信じられない位に露出が変わってきます、しかも、車の色によっても違ってきます。当然ボンネット部を優先すれば全体に暗い仕上がりになってしまいますが、下の方で合わせるとオーバーの写真になってしまいます。 オートの場合太陽の位置がカメラから見てサイドから逆方向にある場合、太陽の反射がボディに入る事があります。これはかなり強烈でファインダーの中心から多少離れていても影響を受けてしまい、真っ黒(アンダー)の仕上がりになってしまいます。
条件によってはカメラの露出計で構いませんから、撮りたい方向の何箇所の露出をはかり、平均的な数値を自分で決めておくといいでしょう。ただし、この場合は車の色によって出方が違ってくるということを頭に入れて置いてください


写真下)ボンネットに当たる強い光の露出で撮影しています。車の側面はアンダーになってしまいましたが、ボデイの立体感は出ています。

 撮影3悪は「ピンボケ」「露出の過不足」と、もう一つは「カメラブレ」があります。
シャッターを押す瞬間の動作があまりにも無造作な人が多いように思います。これはカメラの保持の仕方にも問題があります。ブレはシャッターを押す瞬間にカメラごと動いてしまって起こるトラブルで、 最近のカメラは携帯性を重視して小型軽量化され、これもブレやすい原因の一つです。
アマチュアの人の 写真を撮っている姿を見ていると不安定な格好で撮影をしている人が多く見受けられます。
まず、安定した姿勢を確保する事が必要で、肘をしっかりと体につけ、どっしりと安定した姿勢を作る事が必要です。
中腰の格好などは一番いけません。片膝を地面に付いた姿勢をとったりしてください。
呼吸も影響してきます。僕はシャッターを切る瞬間は息を止ています。プロの人たちはほとんどそうしています。
パイクスピークの7合目位、標高3,000m以上の場所で下から上がってくる競技車を狙った時に、息を止めて連射していまた。ところが空気の薄い高さなので、シャッターを離した瞬間苦しくてハアハア・・・、隣で撮っていたカメラマンも同じようにハアハアしていて、顔を見合わせて大笑い。
シヤッターは上から押すと言うより、横に滑らせるという感じの方が良いでしょう。
 カメラを信じきってしまっている為に、撮影そのものが安易になってしまって起こるブレなども、カメラの持ち方や構え方をもう一度研究し丁寧な撮影を心掛ける事です。

 自分のカメラはどのような機能を持ち、それをどのように活用すれば良いのかを理解する事は良い写真を撮る為にも幅広い表現にも必要な事なのです。
 最後に、シャッターを切ろうと思った所より更に前に出て撮る。という事を挙げておきました。
これは心がけの問題なのですが、写真を撮る人は謙虚な人が多く? 自分でここと思った所で撮った作品でも、たいがい余分な部分が多く撮られています。「ここは、カット」と、トリミングすると、撮影したポジションから少し前に出て撮れば良かったという程度です。 僕は「さらに3歩前に出て。」と言っています。