情報収集から始まる場所選び。

 
ラリーの写真は、『場所選び』がすべてと言っても良いくらい重要なポイントです。
『場所』の考え方としては、一般的に迫力ある走りを撮るのに適した場所とその場所の象徴的な物を狙う場所とがあります。
とにかく足で稼いで探すしかなく、何気なく行った所にこれ以上の場所はないという事もあるものの、どんなに歩いても良い場所が見つからないという外れの場合もあるのです。
勿論、事前にロケーションハンティングが出来れば良いのですが、これもなかなか難しく、結局は行った場所でベストな場所を決めなくてはならないのが現状でしょう。

 情報収集も大事な作業です。以前そのイベントに行った人に聞いてみるのがベストでしょう。海外では言葉に自信があれば地元の人に聞いてみるのが一番です。彼等はとにかくラリーを良く知っているので、ほぼ満足いく場所を確保する事が出来ます。
但し、地元の人達は何ケ所も回るという人は少なく、かなり早い時間から場所を確保してラリーを楽しんでいるので、早くから場所取りをしなければなりません。
国内のイベントでは、海外に比べると写真を撮ると言う意味での自由度が低くなってしまいます。

  とりあえず良い(撮りやすい)場所が見つかったら、実際の走りをイメージして自分の立つ位置を決めます。 この場合最も気をつけなくてはいけないのが、その場所がはたして安全なのかと言う見極めをしなくてはなりません。

身の安全を第一に。
 サファリ・ラリーでビクトリア湖近くの村の中のコースでコーナーのイン側に陣取ると、物珍しさから村の子供達がそのコーナーの反対側にゾロゾロ集まってきた。
ところが、後からやってきたおじさんが手に持っている杖を振りかざしてなにやら怒鳴ると、子供達は蜘蛛の子を散らすようにいなくなってしまった。
そのおじさん(村長だった)が僕らのいるところにやってきて、コーナーの外側は危険で、そこに子供が沢山いるのはとんでもないんだと言う事だった。
一般的にコーナーのイン側は比較的安全だという事が言われています。確かに車の動きを考えるとコーナーの外側に流れて行く事が多く、横転すればひとたまりもありません。外側の危険度はケニヤの村長さんが言うように高いのです。
ではイン側は安全なのかと言うと、必ずしもそうではないのです。コーナーに侵入してきた競技車のテールが流れてしまい、車の向きがまったくイン側に向いてしまう事がたまにあります。 そんな時、ドライバーは車がストップしないようにアクセルを踏んで必死に姿勢を回復しようとコントロールしているので車速が落ちると、突然グリップを回復し、その瞬間にイン側に突っ込んでくるのです。
 僕たちも安全な場所を確保と言う事には全神経を使います。自分が痛い思いをするだけではなく、その競技そのものが駄目になってしまい多くの人に迷惑をかける事になってしまいます。
絶対はないということを頭に入れて、安全に撮影できる場所を選ぶと言うことを忘れてはいけません。

  安全な場所が確保できたら、しかも迫力あるドリフトをものに出来そうだったら欲張らずに、徹底的にそこで撮ってみるのが良いでしょう
コーナーのアプローチから車が確認出来る場所なら、常にフレームの中に車の姿を入れてカメラを振ってくれば、何時でも車の動きに応じて自分が“これだ”と思った瞬間にシャッターを切る事が出来ます。

しかし、ブラインド・コーナーならこの方法が使えなく、コーナーの出口から車が出てくるのを待って撮るしかありません。この時にどうしても慌てて車をフレームの中に入れようとするのでブレやすく、狙いと違うタイミングで撮ってしまう事があります。

 良いコーナーが確保出来ない時は、僕の場合はコーナーにこだわらず、時間の許す限り色々な場所を歩いてみます。
これが以外と面白い場所が発見出来る事があります。直線でも路面をチェックして行くと部分的に荒れていて、ここを通れば車の姿勢は乱れる可能性があり、周囲の風景さえ悪くなければ、意外な迫力のある作品をを得る事があります。
4輪が整然と地に着いていれば「静」の姿になりますが、路面の凸凹により斜めになったり、片輪が浮いたりしただけで動きが出てくるのです。
ただ、スピードが高いのでブレに注意しながら速いシャッターで撮らなければなりません。コースサイドに入れなければ、コースに沿って一杯に並んだのギャラリーの間を走る車を高い所から狙ってみるのも、雰囲気があって良い写真になります。
見て良い場所は、撮っても良い場所だという事を覚えておいてください。