2015年 TOYOTA モータースポーツ活動計画及び支援計画
   

    トヨタ自動車は、1999年に撤退したWRCに、2017年から18年ぶりに復帰を発表した。

 モータースポーツ活動をクルマの持つ「夢」や「感動」をお客様にもたらす大切なものと位置づけ、TOYOTA Racing、LEXUS RACINGを通じて、各国や各地域に根ざしたモータースポーツ活動を展開、 また、GAZOO Racingを通じて、メーカーの枠を超え、様々なフィールドでクルマ好きを増やし、モータースポーツの裾野を広げることに取り組んでいく。

 モータースポーツには、人やクルマ・技術を鍛えるというもう一つ大事な狙いがあり、これらの活動を通じて、そこで育った人材や得られたノウハウを、今後の「もっといいクルマづくり」に活かしていく。

 TOYOTA Racingでは、新たに2017年から「FIA世界ラリー選手権(WRC)」に参戦を開始。

 実際にお客様が日常使われる世界中の道で競われるWRCは、トヨタの「もっといいクルマづくり」を推進するために、最高の舞台のひとつとであると判断し、参戦に向けた準備を開始する。
参加車両は、国内で「ヴィッツ」として販売されている小型車「ヤリス」をベースに開発する。 車両の開発は、ドイツに拠点を置くTMG(トヨタモータースポーツ)が行い、今年から本格的なテストを実施。ドライバーも昨年末までに選定を終えており、当面は外国人選手となる。


 トヨタには、創業者の豊田喜一郎氏の言葉に「オートレースは単に興味本位のレースではなく、日本の乗用車、製造事業の発展に必要なもの。」と言われていた。現社長の豊田章男氏もレースなど過酷な環境にさらすことにより、車も人も本当に鍛えられると考えている。そこで、 この思いを表に出し、皆で受け継いでゆきたいと表明した。
 自らステアリングを握りオーストラリアやフィンランドを走り、さらにフィンランドで行われたWRCを見た時に感じた「道が人を鍛え、人が車を作る。」という言葉を強く感じたという。表現こそ違うが、創業者の喜一郎氏と同じ意味の考えから、人と車を鍛えるのにラリーが最適と判断された結果、2017年からのラリーに復帰につながった。
多くのラリーファンの待望論で、今後の活躍に期待したい。

<概要>
参加車輌 ヤリス WRC(全長 3910mm x 全幅 1820mm)
エンジン 1.6リッター直噴ターボ(グローバルレースエンジン規定に準ずる)
タイヤ ミシュラン
  2015年テストドライバー: ステファン・サラザン(Stephane Sarrazin)
セバスチャン・リンドホルム(Sebastian Lindholm)
エリック・カミリ(Eric Camilli)

   

 トヨタは1973年のWRC発足から散発的に参戦。 93年、94年、99年とマニファクチャラーズのチャンピオンを獲得するなど黄金時代を築いた。
しかし、F-1参戦を機に1999に撤退している。

 「もっといい車を作るため、多くの方々に笑顔になっていただくため、その思いで私どもは、WRC(世界ラリー選手権)に再び戻らさせていただきます」(トヨタ自動車 豊田章男社長)

 ラリーは市販車をベースとして競うため、市販車への技術の応用や、販売促進への効果が大きく、今季はフォルクスワーゲン、シトロエン、現代などが参戦している。
この発表会の席上、かってトヨタチームのドライバーとして活躍したビョン・ワルデガルドが昨年逝去され、トヨタがWRCに参戦してからの功績の大きさに触れ、追悼の念をあらわしていた。グループBの終盤、FRセリカを駆りサファリ・ラリーでの劇層は印象的だった。

 その他、FIA世界耐久選手権(WEC)、米国の「NASCAR」、国内の「スーパーフォーミュラ」へ参戦する他、「ダカールラリー」へ参戦するトヨタ車体(株)の支援。
 LEXUS RACINGでは、「SUPER GT」へ参戦するとともに、カスタマーモータースポーツとして、LEXUS RC F GT3をグローバルに供給していく。
  GAZOO Racingでは、人材育成を目的に2007年から社員チームでレース参戦を続けてきた「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」に本年も取り組んでいくとともに、新たに「全日本ラリー選手権」への社員チームが参戦、スーパー耐久シリーズでの社員メカニック参画。
また、参加型のモータースポーツ「GAZOO Racing 86/BRZ Race」や「GAZOO Racing ワクドキ ドライビング!」など、走りを楽しむ場を充実するとともに、クルマ好きの夢の実現を支援するプロラリーストの育成支援プログラムを開設する。

サファリラリーで活躍したグループAセリカとグループBセリカ

FIA世界耐久選手権(WEC)

 
2012年より開催されているFIA公認の世界耐久選手権(全8戦)。
ル・マン24時間レースはシリーズ第3戦(6月13〜14日)、日本での富士6時間レースはシリーズ第6戦(10月10〜11日)として開催される。
トヨタは、TMGを本拠とするトヨタ・レーシングより、「TS040 HYBRID」を更に改良して参戦予定。全8戦に2台でのエントリーを申請中。
日本の東富士研究所で開発されたTHS-R(TOYOTA Hybrid System - Racing)は、昨年のV8ガソリンエンジンとモーター/ジェネレーターを前後に搭載した四輪回生/力行システムをさらに熟成させて臨みます。
また、この参戦活動で得られた先進ハイブリッド技術は、量産のハイブリッド車へと活かされます。
タイヤはミシュラン製を使用します。

 昨シーズン ドライバーズチャンピオンを獲得したA.デビッドソン、S.ブエミ組は、中嶋 一貴を加えて「1号車」として、また、A.ブルツ、S.サラザン、M.コンウェイ組が「2号車」として参戦予定。 なお、中嶋 一貴はWEC全8戦に出場します。

ダカールラリー

 
トヨタ ランドクルーザー200で参戦するトヨタ車体(株)のラリーチームであるTeam Land Cruiser TOYOTA AUTO BODY(TLC)を支援します。 本年1月に行なわれた「ダカールラリー2015年」で参戦した2台が優勝、準優勝となり、 2年連続となる市販車部門ワン・ツーフィニッシュを達成した。


全日本選手権 スーパーフォーミュラ

 
国内フォーミュラレースのトップカテゴリー。
直列4気筒 2リッター直噴ガソリンターボエンジン(RI4A)を6チーム10台に供給します。 タイヤは全車ブリヂストン製を使用します。

  2015年はTDP出身ドライバー 小林 可夢偉が国内レースに復帰し、シリーズを盛り上げます。

ペトロナス チーム トムス  PETRONAS TEAM TOM'S  中嶋 一貴(日本) アンドレ・ロッテラー(ドイツ)
コンドー レーシング  ジェームス・ロシター(イギリス)
キグナス スノコ チーム ルマン  平川 亮(日本) 小林 可夢偉(日本)
ケーシーエムジー  中山 雄一(日本)
レノボ チーム インパル  ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ブラジル)  アンドレア・カルダレッリ(イタリア)
プロミュー/セルモ・インギング  石浦 宏明(日本) 国本 雄資(日本)

GT300クラスには、ハイブリッドシステムを搭載するトヨタプリウスが参戦します。

GT300 エー・ピー・アール  TOYOTA PRIUS apr GT 31 嵯峨 宏紀(日本) BS   中山 雄一(日本)

TDP(トヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム)

 
世界および日本のトップカテゴリーにおいて活躍できるレーシングドライバーの育成を目的としたプログラム。
才能ある人材を発掘し、それぞれが実力に応じてステップアップできるシステムとして展開していく。