2017年TOYOTAがWRCに復帰
初戦は、1月に行われるモンテカルロ・ラリーに2台のヤリスで参戦を予定
 2017年にTOYOTA GAZOO Racingは、WRCに復帰する。
豊田章男社長は17年間この日を待っていてくださったファンの皆様と、この競技を守り、盛り上げ続けてくださった競技主催者、参加者、自動車メーカーの方々がいてくれたからこそ、我々はこの舞台に戻ることができた。改めて感謝申し上げたい。
ラリーは、お客様が普段走る道でいかに速く走るかを競うカテゴリーであり、その最高峰であるWRCは、世界の様々な道を知り、人とクルマを鍛え、技術を高めるため最高の舞台のひとつである。WRCへの参戦を通じて「もっといいクルマづくり」をさらに追求していくとコメント。

 車両は、日本名ビッツのヤリスWRCは、1.6リットル直噴エンジンは380馬力、規定により設計の自由度が増したおかげで、空力面で優れた水準を達成した。設計・開発には、トム・フォウラー、サイモン・キャリアー、ミッコ・ルオホら経験豊富なエンジニア・チームが携わった。

 チーム代表のトミ・マキネンは、「ヤリスWRCは、信じられないほどのポテンシャルを持つ、優れた設計のクルマだ。新規定により、開発の自由度が大幅に高まっている。まだすべてのポテンシャルを引き出せているわけではないが、ヤリスWRCは、信頼性と速さを兼ね備えていると言える。結果がどう出るか、本当に待ち遠しい限りだ」と述べた。

 来年1月にモンテカルロで開催される開幕戦には、2台のヤリスWRCの参戦を予定しており、ヤリ-マティ・ラトバラとユホ・ハンニネンがステアリングを握る。また、今年WRC 2でタイトルを獲得したエサペッカ・ラッピも、テストドライバーとして、シーズンを通してチームに加わる。

チーム紹介
チーム総代表 豊田章男
チーム代表  トミ・マキネン
チーム副代表 嵯峨宏英

ドライバー/コ・ドライバー

・ドライバー   ヤリーマティ・ラトバラ31歳 フィンランド WRC初参戦2002年
 コ・ドライバー ミッカ・アンティラ44歳 フィンランド WRC初参戦 1999年
・ドライバー   ユホ・ハンニネン35歳 フィンランド WRC初参戦 2001年
 コ・ドライバー カイ・リンドストローム47歳 フィンランド WRC初参戦 1996年
<テストドライバー>
・ドライバー   エサペッカ・ラッピ25歳 フィンランド WRC初参戦 2009年
 コ・ドライバー ヤンネ・フェルム36歳 フィンランド WRC初参戦 2007年

豊田章男チーム総代表コメント(全文)掲載

(左から)チーム代表トミ・マキネンとチーム総代表豊田章男

  2014年7月にフィンランドでWRCを観戦した際、多くのファンの方から、「トヨタは、いつラリーに戻るんだ?」という声をいただきました。
その半年後に「WRCの道に再び戻る」ことを決意し、本日、その準備を進めたチームの皆、そして支えていただいているパートナーの皆様と共にWRCの道に挑戦するクルマを、世界中の皆さまにお披露目できること、大変嬉しく思います。

かつてトヨタがWRCに参戦させていただいていたことが、10数年の時を経ても多くの方々の記憶に残っていることは大変な驚きと喜びでした。
17年間、この日を待っていてくださったファンの方々に「皆様の気持ちがあったからこそ、トヨタはこの日を迎えることができました。ありがとう。」と感謝の気持ちでいっぱいです。

同時に、1970年代の設立期からチームをリードし続けてくれた故オベ・アンダーソンさん、そのもとで、1980年代にトヨタの確固たる存在感を築いてくれた故ビヨン・ワルデガルドさん、そして、1990年代にドライバーズチャンピオンを獲得してくれたカルロス・サインツさん、ユハ・カンクネンさん、ディディエ・オリオールさん。「ラリーとトヨタ」を人々の記憶に強く刻んでくれた多くの先人達にも、改めて感謝いたします。
あらゆる道を走る競技であるラリーは、人とクルマを鍛え上げるためには最適な舞台です。

トヨタは、その舞台から長い間、離れていました。しかし、競技主催者、参加者、自動車メーカー、そしてファンの皆様が、この競技を守り、盛り上げ続けてくださったからこそ我々は、この舞台に戻ることができました。

人もクルマも、競い合いの中で…、それも予測しえない環境にさらされた時にこそ本当に鍛えられ成長してまいります。
トミ・マキネンは、幾度となくWRCを制覇した経験を持ち、また、三菱・スバルをはじめ、様々なクルマに乗って戦った経験の持ち主です。
彼とならば、他のチームと対等に競い合い、トヨタをも成長させてもらえるクルマとチームを一緒に作っていける…そう思い、彼にクルマづくり、チームづくりをお願いしました。

今年のル・マン24時間耐久レースの後にも言いましたが、TOYOTA GAZOO Racingは"負け嫌い"です。WRCでも、負けたくはありません。
先日、短い時間ですがヤリスWRCのステアリングを握り、トミと一緒にクルマを走らせることができました。

クルマから感じる音や匂い、ステアリングやペダルから伝わる感覚、そして何よりクルマを作りあげてきたトミの表情を見て、このクルマで戦っていく"自信"を、彼と共有することが出来ました。
古くから応援していただいているファンの皆様には「王者トヨタが帰ってきたね!」と新たに応援していただけるファンの皆様には「トヨタを応援してよかった!」と笑顔で言っていただける日を一日でも早く実現できるよう、残り1か月、WRC開幕のその瞬間までトミをはじめとするフィンランド、ドイツそして日本の負け嫌いなチームメンバー達が最後まで努力を続けてまいります。

負け嫌いなTOYOTA GAZOO RacingのWRCへの挑戦への応援をよろしくお願いいたします。

トヨタ自動車株式会社 取締役社長 豊田章男

ヤリスWRC 仕様

トヨタ・ヤリスWRC(日本名.ヴィッツ)は、2017 年FIA ワールドラリーカー技術規定(2017 FIA World Rally Car Technical Regulation)に準拠する新世代ワールドラリーカーであり、1.6 リッター直噴ターボエンジンを搭載し、約380 馬力の出力を誇る。

<エンジン>

形式.直列4 気筒直噴ターボエンジン
排気量.1,600cc
最高出力.380 馬力以上
最大トルク.425Nm 以上
ボア×ストローク.83.8mm×72.5mm
エア・リストリクター.36mm(FIA 規定による)

<トランスミッション>

ギアボックス.油圧式6 速シフト
駆動方式・差動装置.
4WD、機械式ディファレンシャル×2、アクティブ・センター・ディファレンシャル (トルクスプリットオプション)
クラッチ.焼結ツインプレート・クラッチ

<シャシー/サスペンション>
フロント/リア.マクファーソン・ストラット
サスペンションストローク量.非公開
ステアリング.油圧式ラック&ピニオン
ブレーキ・システム.
・グラベル用.300mm(空冷および水冷)
・ターマック用.370mm(空冷および水冷)

<寸法および重量>
全長/全幅/全高.4,085mm(空力パーツ込)/1,875mm/調整可能
トレッド幅.調整可能
ホイールベース.2,511mm
最低重量.1,190kg

<性能>
加速性能.非公開
最高速度.201 kph(理論値)
 
2017年もWRCから目が離せないぞ。